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女子日本代表:セレクションキャンプレポート「はじめてだからこそリスクを恐れず、割り切ってやってやろう」今野紀花選手
2025年5月17日

今野紀花選手は果敢に取り組むメンタリティーでセレクションキャンプを突破

Wリーグ フューチャー得点王の樋口鈴乃選手
女子日本代表候補選手を発掘するためのセレクションキャンプを5月12日〜16日に実施。最後の練習後、コーリー・ゲインズヘッドコーチは「みんなが一生懸命努力し、細かいところまで集中し、コーチの要求にしっかりと応えてくれた良いキャンプだった」と評価し、当初の想定よりも多い12人の選手が第1次強化合宿へ進みます。
今キャンプではゲインズヘッドコーチが目指すバスケスタイルの基本とともに、ブライアン・フィンリーコーチによるスキルトレーニング、メンタルも同時に鍛えるフィジカルトレーニングの3部構成で強化を図りました。最終日は3チームに分かれ、5本先取のスクリメージで選手の力量を見極めます。その際、ゲインズヘッドコーチは「ペースとスペースを大事にすること。今はシュートを決めることよりも、スピードあるプレーを評価する。また、自分たちの強み以外のプレーに対しても、積極的に挑戦して欲しい。試すことで可能性が広がり、そこから成長できる」とポイントを告げ、選手たちは持てる力を存分に発揮しました。
3年ぶりにキャンプに招集された今野紀花選手は、「日本のバスケスタイルである足を動かして、速い展開のオフェンスは変わらないですが、その中でもシュートを打てるチャンスがあれば絶対に打つ。シュートを打つ量が多ければ、決める量も増えるという考え方を持っており、コーチが積極的に打って良いと言ってくれるからこそ、躊躇せずに打つことができるのがうれしいです。果敢に取り組むメンタリティーがベースにある新しいチームだと思ったので、すごくおもしろいです」と新体制に期待します。
代表選考の前段階であり、「もちろん第1次合宿に進んで結果を残すことも大事ですが、新チームになって本当のスタートとなるこのキャンプで、コーリーヘッドコーチの根本的な考え方を先に学べたことは、自分にとっては大きいことです。また、はじめてだからこそリスクを恐れず、割り切ってやってやろうと思えたことがすごく良かったです」と手応えを感じていました。
デンソー アイリスでの2年目を終えた今野選手。Wリーグ プレーオフ ファイナルでは5試合すべてに出場しましたが、まだプレータイムはさほど多くありません。「Wリーグでの1年目は離脱しましたが、2年目は成長できたシーズンになりました。しっかりとバスケに向き合って、『がんばりたい』と自分自身もコミットできたので、日本代表に対する思いも強かったです」という今野選手ですが、招集されるにはもう1年ほどかかると自己評価していました。しかし、すぐさまチャンスが訪れたことに、「驚きとうれしさでいっぱいでした。今回の結果がどうであれ、自分が満足する過程を、そして代表を目指すためのステップをしっかり踏んでいきたいという強い思いで参加しました」。ゲインズヘッドコーチに求められているのは、ルイビル大学時代のようなプレーであり、そこにも期待を寄せています。
「アメリカから帰国してからの2年間はずっと4番ポジションでした。でも、このキャンプで求められているの2〜3番であり、そこは自分にとってもチャレンジでしたが、コーリーヘッドコーチもブライアンコーチもスキルを評価していただき、さらにシュートも良いと言ってくれたのがうれしかったです。シュートに対する自信がなかったですし、自分自身も懐疑的でしたが、コーチが見て評価してくれたのだから信じることにしよう、と思いました。すごく大きなチャレンジでしたが結果はどうであれ、自分のこれからのバスケキャリアで一生感謝できるような学びがありました」
既報通り、今野選手はセレクションキャンプを突破し、5月20日からはじまる第1次強化合宿の参加メンバーに選ばれました。
過去の実績やプレータイム、チームの成績などは全く関係なく、選手個人の活躍や期待値に対してチャンスが与えたセレクションキャンプ。昨シーズンより2部制に戻ったWリーグにおいて、下部にあたるWリーグ フューチャーからも4人が招集されました。プレステージ・インターナショナル アランマーレで活躍した樋口鈴乃選手は、「今までのキャリアの中で代表に呼ばれたことが全くなかったので、素直にうれしかったです。フューチャーの選手も見てくれているんだな、とうれしい気持ちもありました」と感謝し、平均14点でフューチャー得点王となった実力をぶつけます。「ポイントガードが1番シュート力を持っていなければいけない」とブライアンコーチから言われ、「もっともっとシュート力を上げていかなければいけないことを気付かされました」とスキルトレーニングにも力が入ります。
はじめて臨んだキャンプの感想は、「コーリーヘッドコーチは一つひとつのプレーに対して大げさに褒めてくれるので、何が良くて何が悪いかがハッキリしていて分かりやすいです。個人的にはフューチャーで1年間プレーしていたので、プレミアの選手たちと対人練習をし、コミュニケーションを取れたことでよりレベルの高い環境に身を置くことができ、4日間でしたがすごく成長できたと思います」と刺激を受け、多くのことを持ち帰ります。
残念ながら第1次強化合宿へ進めなかった選手たちもいますが、それぞれの特徴はゲインズヘッドコーチにインプットされました。今回学んだことを継続し、今後の三井不動産カップやFIBA女子アジアカップを見て成長し続けることで、ふたたび招集されるチャンスがめぐってきます。