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男子「ウィリアムズ・ジョーンズカップ」日本代表:第2次強化合宿レポート「ここから這い上がれる力を僕は絶対に持っている」脇 真大選手

2025年7月1日

ハンドラーとして磨きをかける根本 大選手

脇 真大選手はBリーグと変わらぬ強気なプレーを還元

 男子「ウィリアムズ・ジョーンズカップ」日本代表は6月27日から29日まで、第2次強化合宿を実施。「3日間を通して、前回合宿よりもペースは上がっており、ディフェンス強度も良かったです」と網野友雄ヘッドコーチは評価し、7月12日(土)からチャイニーズ・タイペイで開催される「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」(以下ジョーンズカップ)へ向けて順調に強化が進んでいます。網野ヘッドコーチの下で3年目の夏を迎える黒川虎徹選手(アルティ―リ千葉)も、「練習を通して徐々に良くなっており、前回の練習をスタンダードにするではなく、さらにその上を目指そうと言ったが、今合宿ではそれができていました。次回はさらに上を目指すためにこの1週間もまたフィードバックして、良い準備をしていきましょう」とハドルで仲間たちに伝え、合宿の合間も高い意識を持続させます。

 今合宿に招集された18名のうち、Bリーグのプロチームに所属する選手は7名。白鷗大学から三遠ネオフェニックスへ進んだ根本 大選手は、「三遠ではハンドラーとしてゲームをコントロールすることがまだまだできていませんでした。今回の合宿やジョーンズカップを含めて成長していきたいです」と目的を持って挑んでいます。2年前、日本学生選抜チームとしてジョーンズカップに出場し、「合宿では短い期間でコミュニケーションをどう取るかが大切になります。それが連戦で試合を重ねる毎に良くなり、チームとして完成していく実感がありました」と当時を振り返ります。Bリーグ選手として立場が変わり、「大学生を引っ張って行けるように、声をかけることは意識したいです。ポジションがポイントガードになるのでコミュニケーションはもちろん、プレーの部分でもアシストや自分から攻めてまわりを生かしていきたいです」と根本選手は話し、はじまったばかりのプロキャリアにつなげるためにも率先して吸収していました。

 琉球ゴールデンキングスでのルーキーシーズンを終え、新人賞に輝いた脇 真大選手は6月のディベロップメントキャンプメンバーに参加し、トム・ホーバスヘッドコーチの指導を受けます。しかし、約2週間前までファイナルの激闘を戦っていた脇選手のコンディションは、「ケガもあって思うようにプレーはできませんでした」。全ての練習に参加できず、日本代表候補として第1次強化合宿へコールアップされませんでしたが、「またこのような良い機会をもらえたので、自分なりにしっかりアピールしていきたいです。ここから這い上がれる力を僕は絶対に持っていると思っています。今後もトムヘッドコーチの日本代表に呼ばれて、次こそそのユニフォームを着られるようにがんばりたいです」としっかり上を見据えています。

 19歳の時、脇選手は男子U19日本代表合宿の最後で選考から漏れ、2021年のFIBA U19ワールドカップに出場できませんでした。当時ユニフォームを争った仲間であるジャン・ローレンス・ハーパージュニア選手(サンロッカーズ渋谷)や山ノ内勇登選手(オーラル・ロバーツ大学)、山﨑一渉選手(ノーザン・コロラド大学)、川島悠翔選手(シアトル大学)らとは、ディベロップメントキャンプで再会。「同じ場所に立っていない悔しさもあります。ケガをしていたとはいえ、選ばられないのはまだまだ僕の実力不足だと思っています」と気持ちを整理し、現実を受け入れてこのチームでは先頭を走ります。19歳の時に味わった挫折を原動力とし、「常にあの悔しさは持っています。でも、あの場面で選考から外されることがあったからこそ、今のキャリアにもつながっていると思います。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受け取りましたが、僕がやるべきことは変わりません。これからもずっと前進していくつもりです」という脇選手はチームファーストを常に考えています。

「自分がやるべきことをしっかりやって、それによって仲間を生かし、自分のプレーにもつながれば良いです。ジョーンズカップには各国代表チームが出場しますが、僕らは若いからこそエネルギッシュにプレーし、チャレンジャーとして向かっていくだけです。僕らが弱気になっていたら何もはじまらないので、Bリーグと変わらぬ強気なプレーを出していきたいです。大学生たちにもその姿勢をしっかり見せて引っ張っていきたいです」

 今合宿を経て、ジョーンズカップへ向かう選手選考が行われます。大会に出場できる人数は決まっており、頭を悩ます網野ヘッドコーチは「結果はどうあれ、この世代のトップであり、今後はA代表を目指してプレーして行って欲しい」と伝え、今回学んだ基礎を全員が継続することで日本のスタンダードを高めていきます。