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2024年度コーチデベロッパー講習会 (第 2 回) 開催報告
2025年3月31日

ファシリテーション実践の様子①

ファシリテーション実践の様子②
当協会 (JBA) では、2025年 3 月22日 (土)・3 月23日 (日) の計 2 日間、味の素ナショナルトレーニングセンター (東京都北区) において、2024年度第 2 回のコーチデベロッパー講習会を開催しました。
コーチデベロッパー講習会は、JBA 公認 C・D 級コーチ養成講習会を担当するコーチデベロッパーを養成するものです。コーチデベロッパーは、いわゆる「コーチのコーチ」のことを言い、C・D 級コーチ養成講習会に参加したコーチを育成するという役割を担います。今回も全国各地から合計32名の受講者が集まりました。
本講習会では、受講者が C・D 級コーチ養成講習会を実際にファシリテートする「ファシリテーション実践」をメインとしており、受講者はあらかじめセッションプラン (指導案) を作成して実践にのぞみ、実践後は他の参加者やトレーナー (いわゆる「コーチデベロッパーのコーチ」) からフィードバックを受けます。このように実践の準備、ファシリテーション実践、振り返りというサイクルを回すなかでコーチデベロッパーとしての能力を身に付けていきました。
■受講生のコメント
〇 佐藤 健一さん (静岡県)
全国的に部活動の地域展開が進められていますが、課題として地域の指導者不足が挙げられています。日本のバスケットボール界の未来を背負う子どもたちの練習する機会と質を十分に確保することが求められており、部活動の地域展開は私の勤めている市や近隣の自治体でも進められています。地域の子どもたちにバスケットボールを教えたいという志をもつ指導者たちとの協力体制を築き、コーチの育成を行いたいと考えています。
今回の講習会では C・D 級コーチ養成講習会を担うためのファシリテーションスキルとセッションプランの作成の仕方を学びました。ファシリテーションスキルを日本語で置き換えたときに私の中で最も腑に落ちたのが、「受講者同士が学びを得るための仕掛けや声掛け」でした。トレーナーたちからの学び、受講者同士の話し合い、自他のファシリテーション実践のなかで、どのような仕掛けや言葉掛けを行なっていけば良いのかを学ぶことができました。
私が今回の講習会で最も刺激を受けたことは、トレーナーや受講者の人間力の高さでした。2 2日間を通してコミュニケーション能力・積極性・表情など、私がまだまだこれから高めていかなければいけないものだと強く感じました。コーチデベロッパーは養成講習会という短時間のなかで受講者たちと良好な関係を築き、より良い講習会をお互いの立場で作り上げていかなくてはならないと思っています。そのためにも日々のバスケットボールのコーチングだけでなく、様々な場面で自分自身の人間力を高めていかなければならないと感じています。
短い時間でしたが、関わってくださった皆様に心から感謝いたします。
〇 田中 留奈さん (石川県)
コーチデベロッパー講習会を受けるに至るまで、たくさんの方々にお力添えいただきました。B 級コーチ講習会を受けた際、「大人の学びは痛みを伴う」を痛感しました。しかし、この歳になって、事前課題・講習・事後課題をすることで学生時代よりも真剣に取り組んでいるのではないかというくらいの時間を過ごしました。予習・授業・復習などのすべての過程を通じ、大学生の気持ちに戻り、選手に寄り添うことにもつながったように思います。
講習を受け、心が折れそうになったときに寄り添って支えてくださったのがコーチデベロッパーの方々でした。そのとき芽生えた感情が「私も力になりたい!」でした。一方で、そこまでチャレンジする必要があるのかという葛藤もありましたが、目の前にいる選手たちの姿に背中を押されたかのように受講することを決意しました。
いざ、会場に足を踏み入れると緊張感がどっと押し寄せ、コーチング実践とはまたひと味違うファシリテーション実践。コーチ以上に準備が必要だということを、講習を受けて、また皆さんのファシリテーション実践を見て感じました。質問をする難しさ、回答が予想していなかったときの流れの修正、時間の使い方、見極めの重要性など、たくさんの経験をさせていただきました。さらに自分にはまだまだ知識が足りていないこともあり、受講者の方々から学ばせていただくこともできました。ここでの出会いを大切に、そして学んだことを活かし今後も活動していきたいです。これからも学び続けることができるように大切な目の前にいる選手と一緒に努力していきたいと思います。
最後になりますが、トレーナーの皆様、講習を共に過ごしていただいた皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。