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3×3男子日本代表:第3次強化合宿 開催報告「大きな相手を上回るスピードや俊敏性を生かせばオリンピックでも戦える」ブラウン アイラ選手

2019年11月21日

 11月1日に開催国枠が付与され、2020年東京オリンピックへの出場が決まった3×3男子日本代表は、11月18日(月)〜20日(水)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第3次強化合宿を実施。トーステン・ロイブル ディレクターコーチの下、今年2月に30人の候補選手を招集して行われた強化合宿から選考を行い、10人にまで絞られました。

 3×3男子日本代表への選考基準について、「ドライブとパスができ、さらにシュート力がある選手」「日本の戦いにおいてバスケIQの高さは重要」「ゲームのカギとなるリバウンドが強く、ディフェンス力がある選手」とロイブルコーチは考えています。188cm以上であり、オールラウンドにプレーできる選手が収集されました。「選手一人ひとりが一つずつ長けた武器を持っています。その武器を組み合わせながら、どれが一番マッチするかを試しています」というロイブルコーチは、ケミストリーを見極めながらオリンピックに向けた最高の4人を選考していきます。


ブラウン アイラ選手 (大阪エヴェッサ)

 リバウンドやディフェンスにおいて期待されるブラウン アイラ選手 (大阪エヴェッサ)は、2012年に3×3アメリカ代表としてFIBA 3×3ワールドカップに出場した経験の持ち主。ふたたびオリンピックを目指せるチャンスを得られたことで、「日本を背負って戦えることが楽しみですし、誇りに思っています」と意欲を見せます。

 「インサイドの強さやアウトサイドプレーのスキルなどでチームに貢献できます」とブラウン選手の長所を、この3×3にも生かしています。今合宿中は、これまでのFIBA 3×3ワールドカップの映像を見ながらライバルを想定し、「それを超えるフィジカルの強さやスキルが自分にはあると信じていますし、チャンスは必ずあります。日本はサイズが小さいですが、大きな相手を上回るスピードや俊敏性があり、それを生かせばオリンピックでも戦っていけます」と積極的に取り組んでいます。「練習への取り組みが素晴らしく、チームにエナジーを与えてくれており、プラスになっています」とロイブルコーチは評価し、5人制のときと同様に明るくチームを引っ張っていました。

 3×3の場合、コーチが日本代表に選出しても、必ずオリンピックに出られるわけではありません。3×3の実力を示さなければならず、その基準となるのが個人ポイントです。FIBAにエントリーした試合に出場し、勝利することで個人ポイントが加算されます。オリンピックに出場するためには最低54,000ポイント(女子は36,000ポイント)が必要です。現在569,560ポイントを獲得し、国内ランキング1位の落合知也選手 (越谷アルファーズ / TOKYO DIME.EXE)をはじめ、候補選手のほとんどはそのラインをクリアしています。しかし、今年8月に行われた第2次強化合宿から追加招集されたブラウン選手、永吉佑也選手 (京都ハンナリーズ / KYOTO BB.EXE)、橋本拓哉選手 (大阪エヴェッサ)はポイントが足りていません。54,000ポイントを得るには「国際試合に出場し、2回ほどベスト8以上となる決勝トーナメントに進むことができれば獲得できます」とロイブルコーチは言い、来春に開幕する3×3新シーズンから積極的に出場していくことが重要です。


橋本拓哉選手 (大阪エヴェッサ)

 もう一つ、日本代表4人のうち、2人は必ず国内ランキングトップ10の中から選出します。10人の候補選手のうち、5人が現時点でトップ10内に入っています。「このコアメンバーの中からトップ10内に一人でも多くの選手がいることが、オリンピックメンバーを決めるためにもひとつのカギになります」とロイブルコーチは言います。このランキングや個人ポイントは、今年6月22日から来年同日までの1年間分で集計されます。来年5月にはFIBA 3×3アジアカップなどの代表戦が予定されており、またワールドツアー マスターズなどに参戦するためにも国内大会に出場しながら、経験とポイントを積み上げていく必要があります。

 パイオニアとして3×3を引っ張る落合選手は、「まだまだ可能性があるメンバーであり、3×3は経験が大事なので場数を踏んでいけばもっと強くなるチームだと率直に感じています。日本はメダルを狙える位置に十分いると思っていますし、メダルを獲ることに意味があります。オリンピックでメダルを獲るためにも全員で、一致団結して臨みたいです」と抱負を語り、オリンピックへ向けた本格的な強化と競争がはじまりました。


落合知也選手 (越谷アルファーズ / TOKYO DIME.EXE)