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3×3女子日本代表:第7次強化合宿 オリンピック予選へのエントリー6人を選考する大事な3日間

2020年2月9日

2019年アジアカップ、ワールドカップに出場した経験をつなげたいとアピールする伊集南選手

OQTのライバルを想定し、男子選手を相手に身体を張って守る馬瓜ステファニー選手

 東京オリンピックへの切符を自ら勝ち獲らねばならない3×3女子日本代表(※男女5人制、男子3×3はいずれも開催国枠で出場権取得済)は、3月18日(水)よりインド・バンガロールで開催される「FIBA オリンピック予選 (OQT)」へ向け、2月6日(木)〜8日(土)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第7次強化合宿を実施しました。

 「OQTに出場するメンバーは4人ですが、その前にエントリーできるのは6人。その6人を決める非常に重要なキャンプ」と明言したトーステン・ロイブル ディレクターコーチ。9人から6人へメンバーを絞り込む選考へ向け、OQTの予選ラウンドで対戦する強豪オーストラリアとウクライナを想定し、男子選手を相手に強化を進めます。

 FIBAランキング33位(※日本8位)のオーストラリアですが、これまで4戦対戦し、いずれも負けています。昨年6月に行われたFIBA 3×3ワールドカップでも対戦し、延長戦の末に16-18で惜しくも敗れました。その試合に出場した伊集 南選手 (デンソー アイリス)は、「最後は経験や個の強さ、チームワークの差が出てしまいました」と振り返ります。オーストラリアはほぼ同じメンバーで数々の大会に出場し、FIBA 3×3アジアカップ2019で優勝、続くFIBA 3×3ワールドカップでは4位の成績を収めました。

 オーストラリアをはじめ、一緒に練習をしている時間が長い海外のチームに対し、「日本の場合はどのメンバーが出ても変わらない日本のスタイルを確立できれば、絶対に戦えます」と自信を伺わせる伊集選手。オーストラリアも「絶対に倒せない相手ではないと思っています」と頼もしいコメントを残しています。

 ウクライナとは世界一になったFIBA 3×3 U23ワールドカップで対戦し、そのときは20-11で勝利しました。しかし、今回のOQTでは「ルールが変更となり、国内トップ10の選手が2人いれば、残る2人はポイントが0点でも出場できるようになり、どの選手が出てくるかは分かりません」とロイブルコーチが言うように、スカウティングも難しい状況です。

 高さで劣る日本はディフェンスに勝機を見出すべく、「いろいろ試しながら、一番良い守り方をみんなで考えています」と馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)は言います。チームで守るためにもコミュニケーションが大切となり、必然的に選手それぞれの発言も増えていました。

 20チームが出場するOQTは、各5チームが4グループに分かれて予選ラウンドを戦います。日本は先に挙げたオーストラリア、ウクライナをターゲットとし、イラン、トルクメニスタンには絶対に勝たなければなりません。5チーム中上位2チームが決勝トーナメントに出場し、準決勝までは1発勝負で勝ち上がりが決まります。決勝に進出した2チームと3位決定戦で勝利したチームへ与えられるオリンピックへの切符は、たった3枚しかありません。

 先を見据えることなく、「予選を突破しなければ次はない」とロイブルコーチは選手たちに伝えました。オーストラリアとウクライナに勝利し、1位通過することで決勝トーナメントを優位に戦えるよう準備しています。

 OQTでは3/20とオリンピック出場は狭き門であるとともに、大会には4人しか出場できない3×3は半分以上の選手がカットされてしまいます。サバイバルの中にいる伊集選手ですが、「いろいろ不安に思ってもしょうがない。選手としては準備してやるしかない」と覚悟を持ってコートに全てを注いでいます。

「昨年のアジアカップとワールドカップを経験してきたことは大きく、それをつなげなければいけないという思いも強いです。ここまで来たらOQTにも出たいし、オリンピック以上にレベルが高い大会になると言われています。絶対にOQTの中からメダリストも生まれると思っているので、その戦いに出たいです」(伊集選手)