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女子日本代表:第1次強化合宿レポート「シュート、パス、ドライブそれぞれに上手な人のプレーを見て学んでいます」田中こころ選手
2025年5月29日

憧れの選手たちのプレーを間近で吸収する田中こころ選手

3度のオリンピック出場経験を糧にチームを引っ張る町田瑠唯選手
女子日本代表は5月21日から28日まで第1次強化合宿を実施しました。コーリー・ゲインズヘッドコーチが目指す新たなバスケスタイルを、25名の候補選手たちに浸透させます。就任会見時、「女子日本代表は心からバスケが好きで、常にニコニコしながら本当に楽しくバスケするようなチームを作っていきたい」と話したとおり、経験豊富な選手たちを招集した第1次強化合宿は、若手主体のセレクションキャンプ以上に盛り上がります。コミュニケーションを大事にするゲインズヘッドコーチの方針が伝播し、選手同士で話し合い、仲間たちを鼓舞するにぎやかな8日間を終えました。
「バスケを楽しまなければ意味がない。一番楽しいチームが勝つ」とゲインズヘッドコーチには持論があり、NBAでのコーチ経験から学んだことです。「ジョージ・カールやポール・ウェストヘッド、パット・ライリーなど多くのヘッドコーチの下で学んできましたが、それぞれ一生懸命真剣にがんばるチームでした。それと同じくらい真剣にバスケを楽しんでもいたので、女子日本代表も全身全霊を尽くしながら楽しむチームにしたいです」と説明します。楽しいだけでは勝てない勝負の世界ですが、「楽しんでいなければ勝つチャンスはない」と続け、“コーリーJAPAN”の初陣となる6月7日・8日に開催する三井不動産カップ2025(愛知大会) 日本vsチャイニーズ・タイペイ(チケット好評発売中)で体現します。
新体制となり、はじめての合宿に参加した町田瑠唯選手。3大会連続オリンピック出場経験を持ち、長く日本代表に携わる町田選手は、「みんながリラックスして練習に取り組めています。どんどん失敗して良いよ、とコーリーヘッドコーチは言ってくれるので、変なプレッシャーや緊張感の中で練習している感じはないです」と笑顔を見せます。リオ2016オリンピック前にアドバイザリーコーチとして来日した時からゲインズヘッドコーチから指導を受け、「明るくポジティブな雰囲気は変わらないです」と性格も把握しています。今後、選手選考が進み、大会が近づくにつれてプレッシャーがのしかかる経験を何度もしてきた町田選手は、「実際に勝つためにはこの雰囲気だけではダメであり、今後少しずつ変わっていくとは思います。でも、楽しさはコーリーヘッドコーチのベースにあり、そこにプラスしてまた違う部分も出てくるのではないかと思います」とチームを引き締める役割を担います。
セレクションキャンプで評価され、初の日本代表候補に選出された田中こころ選手。「この合宿からベテランたちも合流して、さらに刺激をもらっています。全員がストイックなので、私自身もがんばらなければいけないと思わせてくれる存在がたくさんいて、毎日毎日が成長につながっています」と恵まれた環境に身を投じることができました。「ポイントガードとして、やっぱり(町田)ルイさんのパスの精度は毎回毎回すごいな、と思います。シューターが多く、思い切って打っている姿を見ると、自分も空いたら打たないといけないな、と思います。シュート、パス、ドライブそれぞれに上手な人のプレーを見て学んでいます。一人には絞れないほど、みんなが本当にすごいです」と吸収しています。「ペース&スペース」を求めるゲインズヘッドコーチのスタイルに対し、「スピードはもちろんですが、ポイントカードとして質も意識しています。スピードもあって、質も良ければ最高なので、そこは自分自身がもっとまわりに言っていけるようにしたいです」と最年少でも臆することなく持ち味を発揮します。
Wリーグでのルーキーシーズンを終え、昨年は女子U18日本代表として、今年は女子U19日本代表と女子日本代表の両方で候補選手となり、この1年間は多くのコーチから学ぶ機会がありました。「誰に教えてもらってもやることは変わらないというのが、まず自分自身にあります。その中で、今まで教えてくださった方から得たものを、この高いレベルでもしっかり出すことが必要だと思っています」と田中選手は様々な環境での成長を糧とし、日本のトップチームで存在感を見せはじめています。
世界の同年代の選手たちと対戦する機会である女子U19日本代表も、19歳で各国フル代表が集うアジアNo.1決定戦も、今は候補選手としてどちらにも出場できるチャンスがあります。しかし、今合宿でスクリメージを行った女子ユニバ日本代表を含め、3つのカテゴリーの国際大会が同時期に開催されるため、ひとつの大会にしか出ることができません。「高いレベルでプレーさせてもらえるチャンスがあるならば、日本代表で挑戦したいという気持ちはずっと思っていたことです」と最高峰を目指しています。「ベテランのすごい選手たちが集まる中で、一緒に練習できるのも今しかないかなと思うからこそ、ここでプレーし続けたいです」とチャンスをものにしながら、3年後のロサンゼルス2028オリンピックもしっかりと見据えていました。
第1次強化合宿終了とともに、スキル向上に寄与してくれたブライアン・フィンリー プレーヤーディベロップメントコーチが帰国。ゲインズヘッドコーチは「今回学んだことを今後も継続し、そのスキルを練習や試合で発揮することが恩返しになる」と選手たちに伝えます。自主練習も含め、朝から晩までいつも笑顔できつい練習を課してくれたフィンリーコーチに選手たちも感謝していました。第2次強化合宿は5月31日からスタートし、三井不動産カップ2025(愛知大会)へ備えます。