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FIBA女子アジアカップ2025[予選グループフェーズ第2戦]日本 85-82 フィリピン「前半に見せたような自分たちのスピードを40分間継続することがカギ」馬瓜ステファニー選手

2025年7月15日

ポイントガードとして急速に経験値を積み上げる今野紀花選手

スピードとヒットファーストでチャンスを作る馬瓜ステファニー選手

 「FIBA女子アジアカップ2025」は2日目。女子日本代表は2023年の前回大会と同じく、予選グループフェーズの2戦目はフィリピンと対戦。2年前の結果は95-57、38点の大差をつけて勝利。しかし、クォーター毎の結果を見れば2Qは4点差(21-17)、3Qは同点で終わり(17-17)、開幕戦のレバノン同様にひと筋縄ではいかない相手です。辛くも勝利したレバノン戦の反省を踏まえ、「ターンオーバーを減らし、確率良くシュートを決める。そのためにもチームルールに沿って規律正しくプレーすること」をコーリー・ゲインズヘッドコーチは選手たちに伝え、この試合に臨みます。前半で20点差をつけ、そのリードを守って残り5分まで危なげない展開でゲームは進んでいきました。

 20点差で迎えだ第4クォーター、ゲインズヘッドコーチは「次のオーストラリア戦へ向けた負荷を考え、主力を温存」します。#99 オコエ桃仁花選手(ENEOSサンフラワーズ)が83点目を挙げた残り5分37秒から得点が止まりました。逆転を信じ、気持ちで上回るフィリピンに猛追され、残り15秒で4点差に詰められます。約16分間の出場で20点を挙げた#8 髙田真希選手(デンソー アイリス)をはじめ、第3クォーター途中からベンチに下げて汗が引いた選手たちをふたたびコートへ戻す選択はせず、「12人全員の選手たちを信頼しています」とゲインズヘッドコーチはコートに立つメンバーに託します。最後まであきらめずにゴールへ向かってきたフィリピンに、ブザービーターで3ポイントシュートを決められましたが85-82で逃げ切り、2勝目を挙げました。

 第4クォーターのコートに立っていた#2 今野紀花選手(デンソー アイリス)は、「良いスペーシングでオフェンスに入っても、最後にしっかりとストップできずにパスミスしたり、小さいところでターンオーバーを連発してしまいました。共通意識を持って、状況を理解しながらプレーするためにも、もっとコミュニケーションが必要でした」と振り返ります。レバノン戦の反省を踏まえ、「とにかくペースを速くし、ディフェンスの強度も上げること。そのためにもしっかりコミュケーションを取ること」をテーマに、今野選手もこの試合に入りました。

 日本代表初選出の今野選手は、ポイントガードへポジションアップして臨むはじめての公式戦。相手と比較し、「こぼれ球やリバウンド、コンタクトなど細かい部分が重なって、この結果になってしまいました。そこをしっかり修正できれば、相手に流れを渡すこともないと思います」と2試合を通じて課題が露呈しました。しかし、このロスターに選ばれた以上は、「ガードとしての経験は浅いですが、そんなことも言っていられません。急速に吸収して成長する必要があります」と実戦を通じて経験値を積み上げています。

 今野選手とともに、先発を任される#3 馬瓜ステファニー選手(CASADEMONT ZARAGOZA)。第4クォーターはベンチから、「もどかしい気持ち」で戦況を見守っていました。5月に25名の候補選手が選考され、“コーリーJAPAN”が始動。この場に立てなかった選手たちを想い、「最初の25人から選ばれた12人でここに来ている」と馬瓜選手は闘志を燃やします。苦しんだレバノン戦で目を覚まされ、「だからこそ、今日は絶対にスタートから気持ちを強く持って行こう」とゲームに入り、20点差に広げることができました。

 リードしていた時間帯は、「ディフェンスのインテンシティを上げ、一緒に出ているメンバーとも迷わずにプレーできていました。相手がディフェンスをセットする前に攻めることができ、ディフェンスでは相手にやられても良いプレーで失点されていただけであり、その次にはしっかり修正もできていました」と馬瓜選手はチームが上向いていることを実感。だからこそ、3点差まで詰められて辛勝した結果について、「昨日は勝って学べたと言えますが、2日連続同じような展開になってしまったことはあまり良くはないです」とさらにチームを結束し、予選グループフェーズ最終戦のオーストラリア戦へ向かいます。

 オーストラリアも同じく2連勝中ですが、ここまでの得失点差は+114。フィリピンとレバノンを寄せつけず、いずれも圧倒しました。「どこを取ってもクォリティーが高いチームです。今日のような小さなミスをしていれば、そこに突かれて一気にやられてしまいます」と今野選手も気を引き締めます。馬瓜選手は、「これまでとはバスケの質が違い、身体も強い選手が揃っています。フィリピン戦の前半に見せたような自分たちのスピードを40分間継続することがカギになります」と述べ、準決勝進出を懸けた大一番は7月15日(火)17:30ティップオフ。

■FIBAアジアカップ2025
日程:2025年7月13日〜20日
開催地:中国・深圳(深圳スポーツセンター)
出場国(予選グループフェーズ)
【グループA】中国(4)、ニュージーランド(26)、韓国(14)、インドネシア(57)
【グループB】日本(9)、オーストラリア(2)、フィリピン(44)、レバノン(54)
※()内数字はFIBAランキング(2025年7月7日時点)
試合日程(日本時間)
 日本 72-68 レバノン
 日本 85-82 フィリピン
 7月15日(火) 17:30 日本 vs オーストラリア
 7月18日(金) 準決勝進出決定戦・7-8位決定戦
 7月19日(土) 準決勝・5位決定戦
 7月20日(日) 決勝・3位決定戦
放送・配信
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