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煌めく青春 南関東総体2014(インターハイ) 大会第5日目 現地レポート -インターハイから世界へ、世界からインターハイへ-

2014年8月6日

明日の決勝はチームメイトに託し、U-17世界選手権へ出発する明成♯8八村 塁選手

U-17世界選手権の経験を生かし、決勝に挑む桜花学園♯7加藤 優希選手


 「平成26年度全国高等学校総合体育大会 第67回全国高等学校バスケットボール選手権大会(南関東インターハイ)」も大詰めを迎え、第5日目は男女の準決勝が行われました。

 その結果、決勝カードは、男子は宮城・明成vs福岡・福岡大学附属大濠、女子は愛知・桜花学園vs千葉・昭和学院となりました。男子は昨年度のウインターカップの決勝戦の再戦、女子は昨年度のインターハイの決勝戦の再戦となります。むろん、そのときとは選手が入れ替わっており、異なるチームです。それでも昨年と同じように厳しい練習に取り組み、厳しい試合を勝ち上がってきたチームです。男女ともに白熱した決勝戦になるのは間違いありません。

 しかし、決勝戦に進みながら、その大一番に出場できない選手たちがいます。男子U-17日本代表の選手たちです。彼らは8月8日(金)からアラブ首長国連邦・ドバイで行われる「第3回FIBA U-17男子バスケットボール世界選手権大会」に出場するため、決勝戦を待たずに日本を離れなければいけなくなったのです。宮城・明成からは#8八村 塁選手、#6納見 悠仁選手、福岡・福岡大学附属大濠からは#7牧 隼利選手が選ばれています。3選手ともチームにとっては欠かせない主力選手ですが、文字どおり「インターハイから世界へ」飛び出していく選手たちへご声援をお願いいたします。

 男子の準決勝、京都・洛南を【79-59】と下した直後、宮城・明成の佐藤 久夫コーチは選手たちに「よくやった。鍛えてきた甲斐があったぞ」と称賛の声をかけていました。その真意を聞くと「鍛え方ではどこにも負けていません。しかしそれはただ厳しい練習をしてきたという意味ではなく、タフに戦うこと、逆境に対してどう頑張るかを重点的に教えてきました。その意味では2年生だけのチームで洛南を倒したことは立派です」と、佐藤コーチは笑顔で胸を張ります。全国のベスト4クラスになれば、どのチームも同じようにしっかりと鍛えられています。そこに勝つためには心身ともにタフでなければいけません。洛南も2年生の#11寺嶋 良選手のスピードのあるプレイなどで何度も明成ゴールを襲っていましたが、最後は鍛え上げられた“タフさ”で明成に軍配が上がりました。

 明成の八村選手は「明日から僕と納見がいなくなるので、今日は絶対に勝とうと思って試合に臨みました。明日はキャプテンの三上(侑希)を中心に、絶対優勝してくれると信じています。僕たちはドバイにいて、千葉にはいませんが、気持ちはみんなと一緒に戦います」とチームメイトにエールを送っていました。
 その上でU-17世界選手権に向けては「昨年のU-16アジア選手権でもそうでしたが、世界には日本にいないサイズの大きい選手がたくさんいます。しかも最近の男子日本代表は世界の舞台に立てていないので、今回の出場が飛躍のきっかけになるように思い切りプレイしてきたいと思います」と力強く意気込みを語ってくれました。

 八村選手たちのように“インターハイから世界に”に飛び出していく選手がいれば、“世界からインターハイ”に戻ってきた選手たちもいます。6月下旬から7月上旬にかけてチェコで行われた「第3回FIBA U-17女子バスケットボール世界選手権大会」に出場し、7位入賞を果たした女子U-17日本代表の選手たちです。

 そのチームのキャプテンを務めた加藤 優希選手は愛知・桜花学園の主力選手です。今日の大阪薫英女学院戦は【76-48】で、最終的には28点差をつけて勝利したものの、「昨日の準々決勝と同じように、チームとしてゲームの序盤であたふたしてしまって、反省を生かすことができませんでした。明日の決勝戦ではそういうことがないように、出だしから落ち着いたプレイができるようにしたいと思います」と反省の声をあげていました。個人的にも「もっといいプレイができたと思います」と反省しきりです。
 その上で決勝戦に話を向けると、「U-17世界選手権で世界の国々と対戦してみて、改めて日本はサイズが小さいと感じました。まさに明日の桜花学園と昭和学院のような感じです(今年度は桜花学園のほうが昭和学院よりもサイズが小さい)。だからU-17日本代表でやったような、つなぎやドライブ、そこからのシュートやアシストなどを仕掛けて、世界選手権の経験を生かしたいと思います」と意気込みを語ってくれました。世界の舞台で経験したことを、インターハイで生かすことができれば、十分に勝機もあるというわけです。

 加藤選手だけでなく、女子U-17日本代表のメンバーで、明日の決勝戦のコートに立つ選手は愛知・桜花学園が加藤選手を含めて4人、千葉・昭和学院に3人います。“世界からインターハイ”に戻ってきた世界レベルのプレイをぜひ堪能してください。

■8月7日(木) 決勝スケジュール [男子]船橋市総合体育館(船橋アリーナ)
10:00~ 明成(宮城) vs 福岡大学附属大濠(福岡)

■8月7日(木) 決勝スケジュール [女子]八千代市市民体育館
13:00~ 桜花学園(愛知) vs 昭和学院(千葉)

 煌めく青春 南関東総体2014の試合結果は、千葉県協会 大会特設サイトにてBOXスコア、レポートとともに掲載されています。また、JBA大会特設サイトでは、連日熱戦を繰り広げている今大会のフォトギャラリーを更新しています。是非、ご覧ください。
 さらに、今大会の試合の模様は、全国高体連公式 インターハイ応援サイト「インハイ.tv」にて、インターネットLIVE配信(無料)を行なっています。
 また、決勝戦は、J SPORTSにて録画放送が予定されています。高校バスケの熱い戦いをお見逃しなく。