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平成26年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第6回キャンプ開催報告

2015年2月19日

個々の技術・体力・バスケIQにおける成長が見られてきた第6回キャンプ

“ポストディフェンス”のドリルを実施し、ディフェンスの重要性と動き方を意識づける

 2月7日(土)~9日(月)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、平成26年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター)の第6回キャンプが行われました。

 今回を含め、今年度のジュニアエリートアカデミーも、残すはあと2回。佐々木 三男アカデミー長は、「これまでのキャンプで、個々の技術・体力・バスケIQにおける成長はしっかり見られています」と評価しており、今合宿はこれまで強調したハードコンタクトと2on2、3on3の連携オートマチィックプレイの応用編へ突入します。「全力投球!全てにチャレンジ」をテーマに掲げ、さらなる自分らしいプレイを見つけるキャンプが始まりました。

 「日本人は器用なので、オフェンスはある程度できます。しかし、ディフェンスは世界に比べて大きく遅れをとっています。これは各世代の日本代表ヘッドコーチからも報告があがっています」と佐々木アカデミー長は、日本の弱点を挙げました。国内では体格に恵まれた選手たちに対し、この世代から「ディフェンスのポジション争い、ボールプレッシャー、ヘルプサイドディフェンスなど、ボールを自由にさせない基本の守り方を身につけさせたいです」と言います。チームに戻れば、ゴール下に立っているだけで相手にとって脅威となるビッグマン。しかし、今後の国際舞台を目指すならば、190cmは大きいとは言えず、ディフェンスの重要性と動き方を意識づけしました。

■第1日目/2月7日(土)
13:45 開講式
14:00 フィジカル測定
15:00 バスケットボールスキル
16:30 フィジカル(マルチステージ測定)
17:15 IT講習会
19:00 ショット動作分析/心理ガイダンス/フィジカルフィードバック/学習

■第2日目/2月8日(日)
6:15 シューティングドリル/シューティングフォームチェック
9:00 バスケットボールスキル
11:00 フィジカルトレーニング
14:00 ポジション別練習(シューター/ビッグマン)
14:30 バスケットボールスキル
16:00 フィジカルトレーニング
19:00 チームビルディング講習会
19:00 ショット動作分析/心理ガイダンス/フィジカルフィードバック/学習

■第3日目/2月9日(月)
6:15 シューティングドリル/シューティングフォームチェック
9:00 ポジション別練習(シューター/ビッグマン)
9:30 バスケットボールスキル
11:00 フィジカルトレーニング
12:00 閉講式

 これまでは、アウトサイドを守るディフェンスを重点的に行なってきましたが、はじめて“ポストディフェンス”のドリルを実施。「国際大会では、自分より大きな相手を守るケースの方が圧倒的に多い。その場合は相手の前に出るか、トラップをしかけなければならない。トラップはリスクを伴うので、相手の前に出て守り、体を当てていくことが重要」と身振り手振りを交えて、トーステン・ロイブル コーチは熱血指導。「ディフェンスで、相手をアグレッシブにマークできるようになったことが一番変わった点です」と感想を述べたのは、細割 駿佑選手(那珂市立第一中学校 2年)。このキャンプに参加したことで、「出来ないなりにも積極的に挑戦するようになりました」とも話しており、たった2泊3日にも関わらず、各選手たちは着実にレベルアップしています。

 バスケットボールスキルやフィジカルトレーニングだけではなく、IT講習会を実施し、選手たちは動画編集を体験しました。佐々木アカデミー長はもう一つの目的として、「今後、彼らが日本代表として成長していった時に、コーチたちが作るスカウティング映像編集の大変さを知れたことで、本当の意味での感謝の気持ちを持って欲しい」と話していました。

 6回目を終え、「気づきの場としてキャンプを重ねてきた中で、自分のやるべきことが把握でき、チームとしてまとまってきています」と選手たちを見守る佐々木アカデミー長。選手たちもそれに応える努力をし、少しずつ成果を実感しているようです。「スタッフから厳しいことも言われますが、それも自分の足りないところをしっかり見てくれているからであり、僕らのことを伸ばしてくれるとても良い機会です」と、田中 透希選手(福井市立進明中学校 3年)は言います。1番伸びた点を聞いてみると、「これまでは、あいさつや声を出すことさえあまりできませんでしたが、キャンプ中に生活指導を受けて、積極的にできるようになりました」。村上 佳司コーチは「回を重ねる度に表情が良くなっています」 と話しており、心の成長がプレイにも表れています。

 残るキャンプはあと1回。ラストキャンプは2月20日(金)~22日(日)に行われ、これまで習ってきたことを存分に発揮できるスクリメージが中心となる予定です。トライアウトを突破し、選ばれた選手たち。だからこそ、コーチたちは少しでもレベルの高いスキルを身につけさせたい、日本代表として国際大会で勝てる選手になって欲しいという願いを込め、伸びしろ多きビッグマンたちに多くのことを経験させています。

 
■平成26年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター) 第6回キャンプ 指導スタッフ紹介 ※敬称略

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(JBAスポーツディレクター)

【心理カウンセリング担当】
奥野 真由(JISS)

【フィジカル担当】
國友 亮佑(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【トレーナー担当】
星川 精豪(江戸川大学)

【栄養指導担当】
小林 唯(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【シューティングメカニズム担当】
袴田 智子(JISS)、稲葉 優希(JISS)

【チームビルディング・ライフスキル】
神田 義輝

【IT(教育支援)担当】
糸満 盛晃(データスタジアム株式会社)

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(國學院大學)
古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)、本永 昌生(通訳)

【アシスタントコーチ】
森本 恭司(豊川市立東部中学校)、渋沢 秀徳(埼玉県立朝霞西高校)
伊藤 翼(㈱タカラトミーアイビス)、大渕 秀子(さいたま市立大久保中学校)