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2019年度 U15 ナショナル育成センター (女子) 第3回キャンプ 開催報告

2019年12月20日

萩原コーチの指導を受ける選手たち

オフボールスクリーンに取り組む

「U15 ナショナル育成センター (女子)」は早くも最終回を迎え、11月15日 (金)〜17日 (日) までの 3 日間、味の素ナショナルトレーニングセンター (東京都北区) にて第 3 回キャンプを実施。29名からスタートした本キャンプですが、毎回次ステップへの選考が行われ、残った15名が最終キャンプに臨みました。

 これまで 1 対 1 からのフィニッシュやスペーシング、オンボールスクリーンを使ったプレーなどを練習し、最後はオフボールスクリーンを使ったオフェンス技術の習得を目指します。萩原美樹子ヘッドコーチは、「ポジション分けをせずにすべてのプレーを経験させています」と話すように、まだまだ伸び盛りの世代です。

「身長が低い方なので」という169cmの平賀真帆選手 (岩手・北上市立北上中学校 3 年) ですが、所属チームでは一番大きいために「普段はできないプレーがここではできます」と目を輝かせます。大きい選手に合わせるアウトサイドプレーが新鮮であり、「ミスマッチに対するパスの出し方や声のかけ方を意識してできました」と多くのことを吸収しています。

 中元優来選手 (東京・CONFIANZA 東京・中学 3 年) は、「スクリーンプレーやミスマッチをつくプレーができるようになりたい」と目標を持って最後のキャンプに臨みました。179cmの中元選手も積極的にアウトサイドでプレーし、「スクリーンを使って、流れの中でセンターにパスを入れるプレーを覚えたので今後に生かしていきたいです」とその幅を広げています。

 スクリーンなど組織的なプレーとともに、毎回ドリブルやパスなど基礎となる個人ドリルを行ってきました。しかし、わずか 3 日間のキャンプの中で身につくわけではなく、反復練習が重要です。「これから高校に進んだ時に、ここで学んだ動きを少しでもスムーズにできればよいと思っています」と萩原コーチは指導し、紹介した練習を持ち帰って継続してもらうことがこのキャンプの趣旨です。

 今回は、小さなコーンを使ったドリブルドリルに挑戦した選手たち。難しいドリルも多いですが、「強いドリブルが試合では一番大事になります」という平賀選手は基本を大切に、チームメイトに紹介しながら一緒に練習を続けていました。このキャンプに選ばれた選手たちは、仲間たちに伝達することもひとつの役割です。

 育成とともに、未来の日本代表を発掘する機会でもあります。「もしかするとここでは、所属チームでの役割とは真逆のことを求めている可能性があるかもしれません」と萩原コーチは言います。日本代表は世界の大きな選手を相手に戦うため、常に国際基準で考えて育成や強化を図っています。満15歳の選手たちは、3 年後の FIBA U18 女子アジアカップのターゲット世代です。講義の時間には女子日本代表の映像を通じて、「日本のトップ選手たちでも、国際大会ではゴール下では簡単にシュートが打てないことを視覚的に訴えました」。また、キャンプで練習してきた「スクリーンをかけることでミスマッチをついたり、ノーマークを作ったりしながら自分たちが有利なところで攻めることが国際大会では必要です」と萩原コーチが言うように、ここで学んだことが今後の日本代表につながっています。

 現在、森 美麗選手 (東京・八王子市立第一中学校 3 年) は女子 U16 日本代表候補に選出されており、他の選手たちにとっても大きな刺激となっていました。これまでも、このキャンプを通じて世代別代表に選ばれた選手を多く輩出しており、「ここで学んだことで、代表合宿に招集されたときにやるべきことが分かっているからスムーズに入れます。選手が理解していてくれれば、チーム作りや強化に対してのスピードも違ってきます」と萩原コーチは話しており、女子 U18 日本代表での再会を楽しみにしていました。

 
■2019年度 U15 ナショナル育成センター (女子) 第 3 回キャンプ 主な実施プログラム

◆1 日目 11月15日 (金)
・開講式
・クリニック
・トレーニング
・栄養講習
・講義

◆2 日目 11月16日 (土)
<午前>
・朝練習
・クリニック

<午後>
・クリニック
・トレーニング
・講義

◆3 日目 11月17日 (日)
・朝練習
・クリニック
・閉講式



※キャンプの様子は、フォトギャラリーをご参照ください。