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男子日本代表:「第18回アジア競技大会」5-8位決定戦はフィリピンに80-113で完敗。ラストゲームは地元インドネシアと7位決定戦

2018年8月28日

ケガを押して出場を志願し、11点を挙げたベンドラメ礼生選手

現役NBAプレーヤーとのマッチアップに対し「素直に光栄なこと」と言う熊谷尚也選手

 昨日8月27日(月)、準々決勝でイランに敗れたことにより、2連戦で臨むこととなった5-8位決定戦。フィリピンを相手に前半は拮抗した試合展開でしたが、後半はインサイド陣のファウルトラブルに苦しみます。ただでさえ8人しかいない中、残り5分から3人の退場者を出し、80-113で敗れました。

 イラン戦の終盤に足を負傷し、ベンチに下がったベンドラメ礼生選手(サンロッカーズ渋谷)。2日連戦であり、まだ試合が残っているので、当初は大事を取って今日は7人で戦うことを想定していました。しかし、全てのウォーミングアップに参加したベンドラメ選手。第1ピリオド残り3分を切ったところでコートに入り、昨日と変わらぬ動きを見せます。「トレーナーと話したところ出場は可能であり、何よりも彼自身が試合に出る気でいたので、その思いを尊重しました」とエルマン・マンドーレ ヘッドコーチ代行は判断し、コートに送り出しました。

 20分間プレーし、11点を挙げる活躍を見せましたが、それ以上の無理はさせられず、残り5分30秒のところでベンチに下げます。そこから3人が相次いで5つ目のファウルを犯し、退場を告げられます。最後の退場者が出た残り40秒の時点で、ベンドラメ選手を出すこともできましたが、「ケガしている選手を起用するリスクを冒すことなく試合を終わらせたかったです。選手生命が大事であり、それを守るのも自分の仕事です」とマンドーレ ヘッドコーチ代行は、残った4人に託しました。

 8人しかいない状況を鑑みれば、本来のスタイルを変更することも考えられます。フィリピン戦は、オフェンシブな相手と真っ向勝負で点の取り合いを挑むかのように、前半は47-57とハイペースで得点が動きます。「前半のオフェンスはすごく機能していて良かった部分もありました」とマンドーレ ヘッドコーチ代行は言ったすぐ後、「ディフェンスはこれまでの試合と比べてもソフト過ぎです」と首を振りました。

 日本が国際大会で勝つためには、ディフェンスを重視しなければならないのはどのカテゴリーでも同じであり、それは8人となった今も変わりません。
「国際試合でオフェンス勝負をしても、おそらくどの試合も勝てないです。世界のチームを見ても、良いチームは絶対にディフェンスを重要視しています。この状況でも、現実的に考えて戦っていかなければなりません。我々はディフェンスで勝つことを目指しています」

 33分48秒、この試合で一番長くコートに立っていたのは熊谷 尚也選手(大阪エヴェッサ)でした。試合後のインタビューゾーンでは呼吸を整えるとともに、敗れた悔しさから落ち着きを取り戻すまでにしばし時間がかかりました。

「昨日の試合に負けてベスト4にも行けなかったので、せめて下の4チームのうちで一番良い成績で終わろうとこの試合に臨みました。フィリピン戦へ向け、昨日の反省点をしっかりみんなで確認して、今日のコートで実戦しようと話をしていたのですがうまくいかず、逆に相手にシンプルなプレーで得点されてしまいました。40分間、昨日の反省点をコート上で表現できなかったことが悔しいです」

 2年ほど前から国籍を有することで代表入りが噂されていたNBAプレーヤーのジョーダン・クラークソン選手が今大会より、フィリピン代表として参戦しています。マッチアップする時間が長かったのも、熊谷選手でした。「フィリピンの中心選手であり、そこを守ることができればしっかり流れを日本に持って来ることができると思っていました。しかし、思うようにいかなかったです」と振り返ります。そのクラークソン選手には、22点9アシストを決められました。

「現役のNBA選手とマッチアップできたことは素直に光栄なことです。一つひとつのテクニックやもちろん自ら得点することもできますが、うまくアシストしながらゲームをコントロールできるところなどその凄さを肌で感じられるのも国際ゲームの良さであり、よい経験ができました」

 男子日本代表にとって次戦がラストゲームになります。相手は、地元の大声援が後押しするインドネシアと対戦。7月にウィリアム・ジョーンズカップで対戦しましたが、そのときは88-55で快勝しました。しかし今回は相手のホームであり、準々決勝では中国に63-98で敗れるも、大きな相手にも諦めずに立ち向かっていく気持ちの強さがあります。「ここにいる選手8人は強い気持ちを持って戦っています」とマンドーレ ヘッドコーチ代行が胸を張るように、日本もその点では負けていません。「命を懸けてでも、勝利に向かって挑戦したい」と意気込んでおり、勝って大会を終えられるよう最後の力を振り絞ります。7位決定戦は、8月31日(金)14:30(日本時間)よりティップオフ。