ニュース

女子3×3日本代表:強化合宿開催報告「世界で通用する手段はいくらでもある」トーステン・ロイブル ディレクターコーチ

2019年2月11日

はじめての3x3に臨む鈴木 侑選手は徐々に慣れて持ち味を発揮

昨年に続き、女子3x3日本代表を目指す前田 有香選手はFIBAランキング59位(国内2位)

 昨年、女子3×3日本代表はU23世代の国際大会で次々と表彰台に上り、着実に結果を残しています。2018年7月、栃木県宇都宮市で行われた「FIBA 3×3 U23 Nations League 2018」での優勝を皮切りに、8月には「第18回アジア競技大会」で銀メダルを獲得。経験を積みながら臨んだ10月の「FIBA 3×3 U23ワールドカップ2018」では、世界2位の快挙を成し遂げました。

 3×3も5人制のバスケットボールも基本は同じであり、アジア競技大会では馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)が初となる1大会で2種目同時出場を経験しています。どちらにも生かすことができることを強化方針としており、選手たちへの理解度や関心は高まっています。

 2月9日(土)〜10日(日)の期間、本年6月にオランダ・アムステルダムで開催される「FIBA 3×3 バスケットボールワールドカップ 2019」 へ向け、ディレクターコーチに就任したトーステン・ロイブル氏が指揮する初の強化合宿を実施しました。

 ロイブルコーチにとって、15名の3×3女子日本代表候補選手たちを見るのはほぼはじめてです。「今回招集した3×3経験者と高校生を見ているだけでも、世界で通用する手段はいくらでもあると感じました。また、高校生たちは今後の3×3を担うゴールデンエイジたちです」と好印象を持ってスタートしました。今合宿は様々な3×3大会に出場し、ポイントを稼ぎながらFIBAランキング国内トップ10内にいる選手たちと高校生を招集。選手たちの特徴を把握しながら、「世界が驚くような規律正しいバスケットスタイルを構築したい」と日本の良さを生かした3×3女子日本代表の強化がはじまりました。

 現在、国内ランキングトップ(FIBAランキング52位)は山本麻衣選手(トヨタ自動車アンテロープス)。Wリーグ選手と大学生は別の合宿にて招集するため、今合宿での最上位は2位(FIBAランキング59位)の前田有香選手。はじめてロイブルコーチの指導を受け、「技術面だけではなく、基礎的なことや身体の使い方なども教えてくださり、そこは新鮮です」。昨年に続き、3×3女子日本代表を目指す前田選手は、「5人制の選手もおり、3×3としての日本のレベルを上げるためにもお互いに切磋琢磨していくことが必要だと思っていました。5人制でも、3人制に専念していても目指すゴールはお互いに一緒なので、競技力を向上するためにも自分がもう一度、日本代表をつかみたいという思いがあります」とプライドを持って日本代表争いに挑んでいます。

 奥山 理々嘉選手(八雲学園高校3年)と今野 紀花選手(聖和学園高校3年)は昨年のアジア競技大会に出場し、すでに経験済みです。しかし、他の高校生にとっては今回はじめてという選手も少なくはありません。昨年、5人制の女子U18日本代表として活躍した鈴木 侑選手(浜松開誠館高校3年)もその一人です。「最初はなかなかタイミングが難しかったですが、慣れてきたことで少しずつシュートを打てるようにはなってきました」と、得意の2ポイントシュート(5人制の3ポイントシュート)を決めてアピールしはじめています。今年はFIBA 女子U19ワールドカップを控えており、3×3を通じて、「オーストラリアや中国の大きな選手を相手にフィジカルでやられてしまい、全部押し込まれてしまっていたのでそこは練習になると思います」と強化方針に則り、両種目の強化につながっています。

 これまで男子アンダーカテゴリーの強化・育成に寄与してきたロイブルコーチですが、3×3の指導に対する違いを聞けば、「ファンダメンタルは全て一緒です」と答えが返ってきました。ルール面での違いを考慮し、「ショットクロックが12秒しかないので、ミスマッチが起きても5人制ほど大きな影響はありません。スイッチをどう有効活用しながらディフェンスで仕掛けて行くことができます」と3×3ならではの戦術も考えています。

 次回、Wリーグと大学生を招集し、3×3にマッチする選手を見極めながら最高のチームを作るための選考は続きます。男子3×3日本代表の強化も指揮するロイブルコーチであり、今週2月15日(金)〜17日(日)の期間、岡山商科大学 体育館にてFIBAランキング国内トップ選手やBリーグ選手、大学生の総勢30名を招集して強化合宿を行います。2月17日(日)朝9時より、一般公開練習もありますので、ぜひオリンピック種目である3×3を見にいらしてください。

■3×3バスケットボール女子日本代表チーム 女子日本代表候補強化合宿(2/9-10) 参加メンバー

○スタッフ
ディレクターコーチ ロイブル トーステン (JBA)
アソシエイトコーチ 長谷川 誠 (秋田ノーザンハピネッツ株式会社)
サポートコーチ 大神 雄子 (トヨタ自動車 アンテロープス)
アスレチックトレーナー 岡本 香織 (JBA)
アスレチックトレーナー 村木 亮子 (JIN整形外科スポーツクリニック)
通訳 本永 昌生 (JBA)
マネージャー 齊藤 尋太郎 (JBA)

○選手
名木 洋子(BEEFMAN.EXE / REXAKT)
前田 有香(BEEFMAN.EXE)
石川 麻衣(BEEFMAN.EXE / REXAKT)
浅羽 麻子(TACHIKAWA DICE.EXE / QUEEN BEE)
安江 舞(SHONAN SUNS.EXE)
桂 葵(SHONAN SUNS.EXE)
佐藤 京香(白鷗大学2年)
奥山 理々嘉(八雲学園高校3年)
今野 紀花(聖和学園高校3年)
安江 沙碧梨(岐阜女子高校3年)
鈴木 侑(浜松開誠館高校3年)
北川 聖(大阪薫英女学院高校3年)
清水 咲来(大阪薫英女学院高校3年)
池田 沙紀( 岐阜女子高等学校3年)
桜庭 珠菜(聖和学園高等学校3年)

※年齢・所属は 2019年2月1日現在