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【インターハイ2025 第4日 大会レポート】夏の真剣勝負は予測不可能

2025年7月31日

「令和7年度 全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会」の第4日は男女の準々決勝がおこなわれました。31日から始まるメインコートへの“参戦権”を掴むためのゲームはどの試合も激戦を極めます。実際に女子の第1シード校である京都精華学園(京都)と、男子の第1シードの福岡大学附属大濠(福岡)、第2シードの東山(京都)が敗れる大きな動きがありました。

日本航空北海道(北海道)が京都精華学園を破った隣のコートで、千葉経済大学附属(千葉)を破ったのは岐阜女子(岐阜)です。最終スコアは56-47ですが、その道のりはけっして簡単なものではありません。序盤から千葉経済大学附属の高確率のシュートと、ボールとは逆のサイドから飛び込んでくるカッティングに苦しめられ、第1クォーターを8-20で終えています。
ただでさえ、岐阜女子は中心選手のひとりが6月におこなわれた東海ブロック大会で戦線を離脱するような大きなケガを負い、苦しい状況にありました。岐阜女子の安江満夫コーチも試合前に「今がチーム力を問われるとき」と言っていたほどです。
そのような状況下で千葉経済大学附属戦も、トランジションからそのままの勢いで一気に攻めてくるオフェンスに手を焼いたと、安江コーチは認めます。
「ハーフコートオフェンスではなく、一気に攻めてくるので、ディフェンスでマークマンをうまく捕まえることができませんでした。もちろんそれはある程度予測して、準備もしてきたのだけど、なかなかうまく守ることができませんでした」

しかし第2クォーターの中盤から敷いたゾーンディフェンスが功を奏します。それまで勢いに乗っていた千葉経済大学附属の勢いを消したのです。そこから逆転勝利への大きな流れを作りました。それはまさにチーム力を問われるときでもありました。
「やはりベスト4に入って、メインコートに立ってプレーすることは、子どもたちが成長していくうえで大きな財産になります。準決勝の対戦相手、日本航空北海道は身長も大きいですし、個々の能力も非常に高いので、ウチは負傷した主力選手がいませんが、チームで挑むだけだと思っています」
主力として期待されていた選手を欠くなかで、チームが一丸となって戦い、そのうえでの逆転勝利、ベスト4への進出は、インターハイだけでなく、これからの大会を考えても岐阜女子にとって大きな価値のあるゲームになりました。

男子の福岡大学附属大濠は八王子学園八王子(東京)に63-71で敗れて、今夏のメインコートに立つことはできませんでした。
福岡大学附属大濠の片峯聡太コーチは言います。
「プレスディフェンスでボールを奪うことはできたのですが、そこで引いてしまったところがあります。一気に畳みかける強さが足りませんでした。今年度のチームは安定したビッグマンがいるわけではないし、特別にゲームをクリエイトできる選手がいるわけでもありません。それだけにチームとして流れを作っていけると思っていたのですが、そこを今日はうまくゲームを作ることができませんでした」
先行されながら、何度か福岡大学附属大濠が逆転する場面もありました。しかしそこから「もうひとつ、ふたつギアを上げたかった」と片峯コーチは言います。そこで選手たちの足が止まってしまったのです。
今年度の福岡大学附属大濠は個々の能力が高いチームで、それだけにチームとしてどう戦うのか、チーム力が問われていました。その点において、ディフェンスからの速い展開を共有できなかったことは今後の課題だと言います。

トランジションオフェンスだけではありません。
「留学生の高さと強さについては、当然のことながら、警戒はしていたのですが、思っていた以上に強かったです。しかしそれ以上に、高さと強さのある留学生にやられてしまうのではないかという思いが強すぎて、カバーに寄りすぎたところで、大きくパスを飛ばされて3ポイントシュートを打たれてしまったり、目線を留学生に向けたところでカッティングされて、合わせのプレーをされてしまいました。ミーティングでもそのことは伝えていたのですが、焦りがあったのか、冷静さを欠いていたところもあったと思います」
今大会の第1シードではありましたが、福岡大学附属大濠もまた他のチームと同じく発展途上にあります。この敗北から何を学び、どう立て直していくのか。まさに今年のチームの真価、チーム力がこれから問われていきます。

明日7月31日の大会第5日は男女の準決勝がおこなわれます。大会を通じて積み上げてきたチーム力で、どのチームが決勝戦進出のチケットを手に入れることができるのか。明日も白熱したゲームが予想されます。

【放送・配信予定】
[全試合配信]
▶ インハイTV ※決勝は録画配信
▶ バスケットLIVE ※男女1・2回戦と決勝は録画配信

[男女準々決勝・準決勝・決勝 (放送 / 配信)]
▶ J SPORTS / J SPORTSオンデマンド
※一部試合は録画放送・配信
※女子準々決勝はJ SPORTSオンデマンドでの配信のみ

[決勝]
▶ NHK BS ※男女決勝を生中継