ニュース
2025年度 第6回全国U15選手権大会 (Jr.ウインターカップ2025-26) JBA推薦枠チーム募集のお知らせ | 一覧へ | 「第60回全国高等専門学校体育大会 バスケットボール競技」大会概要及び組み合わせ発表 |
【インターハイ2025 第5日 大会レポート】最後の扉を開くためには
2025年8月1日
「令和7年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会」の5日目は男女の準決勝が行われ、男女のファイナリストが決定しました。
女子は日本航空北海道(北海道)と桜花学園(愛知)が、男子は八王子学園八王子(東京)と鳥取城北(鳥取)が、それぞれ8月1日(金)に行われる決勝戦進出を決めました。
あと一歩、決勝戦に及ばなかった男女の4チームも、メインコートに立つのに相応しい戦いぶりを見せてくれました。
桜花学園にわずか5点差、68-73で敗れた精華女子(福岡)。第3クォーターを終えた時点で4点リードし、第4クォーターも中盤までにリードを7点に広げていました。しかしそこから桜花学園の追い上げにあい、逆転負けを喫してしまいます。精華女子の大上晴司コーチは言います。
「ゲームを見ながら、桜花学園さんの、劣勢の中でも必死に立ち向かってくる姿勢の素晴らしさを感じました。特に昨年度の「SoftBank ウインターカップ2024」で私たちが勝っているので。桜花学園さんは今回がそのリベンジだと思っていたと思います。私たちもチャレンジャーなんだと選手たちには伝えて、その気持ちでやってはいたと思いますが、終盤の#7イシボ・ディバイン選手の飛び込みリバウンドだったり、ああいう気迫、ボールに対する勢いの違いが最後の勝敗を分けたんじゃないかなと思います」
連戦の疲労も溜まるなか、それでも大会最後の舞台に立とうと思えば、技術や戦術だけではない、勝つことへの渇望、執念のようなものも必要になってきます。それをインターハイの準決勝で体感できたことは、精華女子にとって大きな収穫だと言えます。その収穫は大上コーチ自身にも言えることだと、他ならぬ思いで大上コーチが言います。
「やはり全国のメインコートに何度も来る必要があるのかなと感じています。メインコートに来ることが当たり前にならないと、メインコートでの戦い方や、そこで戦うために必要なものを、練習でどう作っていくもわかりません。練習環境を変えていくヒントにもなりましたし、私自身もメインコートで指揮するキャリアが少ないので、今は『もっとこうしていけばよかった』、『こういうところの準備をすればよかった』と、私自身が今、一番反省しています」
昨年12月のウインターカップで同校としては初めて全国ベスト4に入って、そのメインコートに立ちましたが、インターハイでのベスト4は今回が初めてになります。夏に同校としての新たな歴史を作った精華女子が、この経験を冬にどう生かすのか、注目したいところです。
男子の仙台大学附属明成(宮城)は鳥取城北に対して、こちらはもっとクロスゲームの68-71、わずか3点差で敗れました。まさにあと一歩、7大会ぶりの決勝戦進出には届きませんでした。仙台大学附属明成の畠山俊樹コーチはゲームをこう振り返ります。
「ゲームの入りですね、硬くなっていた部分あるかなと思いますし、まだまだ、私自身もそうですが、選手たちも5試合を戦い抜く気力がないなと思います」
ボールミートひとつをとっても、またリバウンドの着地ひとつをとっても、40分間、常に強度の高いプレーをし続ける仙台大学附属明成。ただでさえ連戦の疲労も溜まるなか、対戦相手のレベルも日に日に増し、そのなかで気力まで高く保つことは決して簡単ではありません。しかし、それを追求するのが仙台大学附属明成なのです。
「自分たちのやるべきことをやれば、相手を抑えられましたし、攻めることもできました。ただそこを続けられなかった――続けられる気力、メンタルの部分がどうしても続かなかったところはありましたね。まだまだ焦ってしまう部分もありました」
それでも誰一人、最後まで諦めることなく、第4クォーターだけで25得点を挙げるなど、怒涛の反撃を見せたことは畠山コーチも褒めるべき要素だと認めます。
「最後まで諦めなかった彼らの気持ちは、私自身も明成らしいなと思いました。私がコーチとして母校に帰ってきたとき、明成らしさを取り戻したかったので、そこは彼らも今日、しっかりと体現してくれたかなと思います」
仙台大学附属明成の選手たちが見せた、最後まで諦めない姿勢は、これからにつながります。諦めずに戦ったからこそ、たとえ頭を抱え、涙を流したとしても、得られるものも大きくなるのです。彼らがこの敗北を受けて、日々の練習にどう向き合うか。練習だけでなく、日常生活も含めて、どのような人間になっていくか。それは畠山コーチの、いや仙台大学附属明成の「バスケットを通じて、人間性を伝えていく」ことにも通じ、ひいては大会の最後の扉を開くカギになるのです。
インターハイ2025の最後の舞台に通じる扉を開いた男女各2チームは、それを開けなかったチームの分まで、思い切りプレーしてくれるはずです。決勝戦は男女とも、どちらが勝ってもおかしくない、激しい攻防が期待されます。
【放送・配信予定】
[全試合配信]
▶ インハイTV ※決勝は録画配信
▶ バスケットLIVE ※男女1・2回戦と決勝は録画配信
[男女準々決勝・準決勝・決勝 (放送 / 配信)]
▶ J SPORTS / J SPORTSオンデマンド
※一部試合は録画放送・配信
※女子準々決勝はJ SPORTSオンデマンドでの配信のみ
[決勝]
▶ NHK BS ※男女決勝を生中継