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平成27年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン) 第5回キャンプ開催報告

2016年1月26日

シューターになる目標を見つけた藤本 翔己選手。ビッグマンキャンプはオールラウンダーの育成が目的

2年目の参加で自信を持ってプレイする細割 駿佑選手

 平成27年度ジュニアエリートアカデミー(ビッグマンキャンプ)は、1月23日(土)~25日(月)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第5回キャンプを実施。今回を含めてあと2回となり、選手それぞれが掲げた課題をクリアすべく練習に励みました。

 今回は個人技術に焦点を置き、シューティング、パッシング、1on1ディフェンス、リバウンドのレベル向上に努めました。ビッグマンとアウトサイドの2グループに分けたオフェンスドリルを紹介し、プレイの幅を広げています。また、これまで継続してきた練習は、さらに精度を高めていく段階に入りました。バスケットボールは“ハビットスポーツ”と言われるように、反復練習が重要です。その中でも毎回徹底しているのがモーションオートマティックです。

 佐々木 三男プロジェクトリーダーはモーションオートマティックの重要性をこう説明します。
「(日本代表同様)リバウンドから速攻を狙うスタイルを植えつけていますが、ゲーム中は全てが速攻につなげられるわけではありません。その時に2メンゲームなどスクリーンを使ったプレイで打開できるようにするため、細かく動き(モーション)を徹底させています。我々が教えているのはフォーメーションではなく、スペーシングの使い方です。日本の場合、ボールは動くが人が動かないことが多いので、フロア全体を見ることを意識させ、有機的に人が動けるようにならなければなりません。今後、さらに上のカテゴリーへと進んだ時に、意識をしなくても体がスムーズに動く(オートマティック)ように指導しています」

 このキャンプを通じて体で覚えたことが、将来に役立てられるようにしているわけです。これまでも開催報告時にJBA公式YouTubeにて練習内容を一部紹介していますが、これは今年度のキャンプからの新しい試みです。一般公開しているものとは別に、参加選手だけが閲覧できる動画を活用しながら、自分たちの動きを視覚的に確認させるとともに、佐々木プロジェクトリーダーが重要な点についてコメントを残し、選手たちがいつでも復習できるようにしています。

 反復練習の重要性を体現してくれていたのが、昨年のキャンプ参加者たちであり、チームとして練習を引っ張ってくれています。その一人である細割 駿佑選手(茨城県・那珂市立第一中学校 3年)は、「昨年は初めてのことばかりでパニックになることもあったりして、周りの人たちにいろいろと教わる立場でした。2年目の今年は少しずつですがリーダーシップを取れるようになったかなと思います」と話しており、経験を生かしながら自信を持って練習に取り組んでいます。佐々木プロジェクトリーダーは、「だいぶチームらしくなってきました。それはみんなが練習中から切磋琢磨していることで、チーム力として成長している証拠です」と選手たちに伝え、その成長に手応えを感じていました。

 所属チームの中では身長が一番高く、必然的にパワーフォワード(4番)やセンター(5番)ポジションを任せられてきたビッグマンたち。しかし、このキャンプでは様々なポジションを経験することができ、当初の目的としてきたオールラウンダーを育成する土台ができ始めています。所属チーム内ではやはり最高身長であった藤本 翔己選手(大阪府・岸和田市立野村中学校 3年)は、バスケットを始めた中学1年の頃からドリブルやシュート練習に励んできたことで、キャンプ中はガードとしてその努力が少しずつ発揮されています。将来的には「2番ポジション(SG)でシューターになりたいです。そのためにもしっかり周りを見て動いて、自分からフリーになる場面を作ることができれば、もっと良くなると思います」と、新たなる目標と明確な課題を持っており、さらなる成長に期待しています。このキャンプを通じて様々な練習方法を教え、きっかけを与えることで、今後の選手たちの選択肢を広げていくのもこのキャンプの大きな役割です。

 いよいよ次回は今年度最後のキャンプを迎えます。コーチたちは、「それぞれの課題をクリアできるように準備し、最高のプレイや記録を最後に残せるように頑張ろう」と声を揃えています。

 
■第5回キャンプ 主な実施プログラム

■1日目 1月23日(土) 午後
・スキルトレーニング
・フィジカル測定
・ジャンプ測定
・心理サポート
・自主学習

■2日目 1月24日(日) 午前
・朝練習(シューティングドリル)
・フィジカルトレーニング
・スキルトレーニング

■2日目 1月24日(日) 午後
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング
・栄養講習
・自主学習

■3日目 1月25日(月) 午前
・朝練習(シューティングドリル)
・スキルトレーニング
・フィジカルトレーニング

<練習メニュー 一部紹介>
①コンタクトドリル
https://youtu.be/dtM-ES25f5A

②3 men automatic in transition
https://youtu.be/nsgTTt_3ZAU

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。

<トピックス>
バイオメカニクス フィードバック(第2回キャンプ)
https://youtu.be/RabNW2D2sjY

 
■第5回キャンプ 参加スタッフ

【バスケットボールスキル担当】
トーステン・ロイブル(男子ジュニア専任コーチ)

【フィジカル担当】
國友 亮佑(JBA)

【栄養指導担当】
石垣 小百合

【心理サポート担当】
奥野 真由(JISS)

【トレーナー】
西村 航(JBA)

【映像撮影】
荒川 哲史、岩部 大輝

【ジュニアエリートアカデミープロジェクトスタッフ】
佐々木 三男(慶應義塾大学)、村上 佳司(國學院大學)、古海 五月(JBA)、本永 昌生(通訳)

【アシスタントコーチ(研修)】
伊豆倉 明子(さいたま市立大原中学校)、小林 康裕(東京成徳大学高校)、大森 誠(名古屋市立中央高校)